同社は新卒・中途ともに採用は順調に進んでいたものの、中長期的に経営を担う人材が不足している状況にあった。
若手育成では時間を要する一方、転職市場においても「プレイヤーではなく経営候補」となり得る即戦力人材はほぼ存在せず、特にITコンサルティング領域における専門性とマネジメント経験を兼ね備えた人材の確保が困難であった。
そのため、顕在層に依存しない形で潜在層へ直接アプローチし、将来の経営人材を外部から招聘するべくヘッドハンティングの活用を決定。
まず、事業内容や組織フェーズ、経営陣の思想まで踏み込んでヒアリングを実施し、「単なる即戦力」ではなく、将来的に経営を担いうる人物像を具体化。
中堅〜大手事業会社におけるプロジェクトマネジメント経験に加え、IT領域での課題解決力・顧客折衝力、さらには組織づくりや事業成長への関心を持つ人材をターゲットとして設定した。
その上で、一般的な求人媒体やエージェント経由では接点を持てない潜在層に対し、独自のネットワークおよびリファレンスを活用したヘッドハンティングを展開。
特に、「転職意欲が高い人材」ではなく、“現職で成果を上げ続けているが、将来的なキャリアに漠然とした課題感を持つ層”に着目し、個別アプローチを推進した。
また、単なるポジション紹介に留まらず、経営陣の考えや今後の事業戦略、組織拡大における期待役割などを候補者ごとにカスタマイズして訴求。
短期的な条件面だけではなく、「将来的に経営へ関与できるキャリア機会」という中長期的な価値を丁寧に伝えることで、転職潜在層の意向形成を後押ししている。
加えて、選考過程では経営陣との複数回の対話機会を設計し、事業方針や組織課題に対する相互理解を醸成。
ヘッドハンターが候補者・企業双方の間に入りながら継続的にコミュニケーションを行うことで、入社後の期待値調整まで含めた伴走支援へとつなげた。
その結果、同社と親和性の高い業務経験を有し、現職で情報システム部門のマネージャーを務める人材の採用に成功。
複数回の面談を通じて相互理解を深めたことで入社承諾に至り、現在はマネージャーとして組織運営に関与している。
加えて、将来的な経営メンバー候補としても期待されており、中長期的な組織基盤強化に寄与する採用事例となった。
経営企画室長を兼務する役員の右腕として、新規事業創出および既存事業の高度化(データ活用)を推進できる人材を募集。
しかし、ポジションが経営レイヤーに近く要件が高度かつ抽象的であることに加え、「データ×事業開発×推進力」を兼ね備えた人材は転職市場にほぼ存在せず、顕在層からの採用は困難な状況であった。
そのため、潜在層へのアプローチを前提としたヘッドハンティングへと切り替えた。
関西圏での事業拡大を見据え、「データ活用による既存事業変革」と「新規事業創出」を両立できる人材像を再定義。
単なる経験業種や職種ではなく、
①大手事業会社における新規事業立ち上げ経験
②アプリ開発・データ活用・プラットフォーム構築を上流から推進した実績
③経営視点を持ちながら事業成長を牽引した経験
を軸に、現職で高い評価を得ながらも、次のステージとしてより大きな経営インパクトを求める人材群にフォーカスした。特に、本件では「百貨店出身者」には限定せず、通信・IT・プラットフォーム・デジタルサービス領域までサーチを拡張。業界横断でマッピングを行い、事業変革フェーズにおいて中核を担っていたキーパーソンを特定。
また、単なるポジション訴求ではなく、経営企画室長を兼務する役員へのヒアリングを重ねることで、「なぜ今この変革が必要なのか」「候補者に何を任せたいのか」を言語化。候補者ごとに経営課題との接続点を整理した上でアプローチを実施。
加えて、潜在層の意思決定においては条件面以上に“経営インパクト”や“裁量”が重要となるため、複数回にわたる対話を通じてキャリアビジョンを整理。候補者・クライアント双方の期待値をすり合わせながら、長期的な視点で意思決定を支援した。
その結果、大手事業会社にてデータ活用型の新規事業を主導していた人材の採用に成功。
入社後は経営企画室長補佐として全社戦略を推進しつつ、現在は、子会社代表および別子会社の取締役を兼任し、グループ全体の新規事業創出と既存事業変革をリードしている。
同社では、IoTやデータ活用を軸としたDX事業を新たな成長ドライバーと位置づけ、海外市場への展開を加速していた。従来の製品販売中心の営業スタイルから、顧客の課題解決に踏み込むソリューション型ビジネスへの転換が求められる中、各国のディストリビューターをリードしながら事業を推進できる人材の必要性が高まっていた。
しかしながら、本ポジションでは「海外営業としての実績」に加え、「機械・電気領域の技術理解」および「デジタル・DX領域への適応力・関心」という複合的な要件が求められ、社内外ともに適任者は極めて限定的であった。特に、従来の営業人材ではデジタル領域への理解が不足し、IT人材では産業領域や海外営業経験が不足するケースが多く、一般的な採用手法では母集団形成自体が困難な状況であった。
そのため、転職潜在層への強いリーチと動機形成を前提とする当社のエグゼクティブサーチの活用が決定された。
事業担当役員および現場責任者とのディスカッションを通じて、本ポジションを「DX事業の海外展開を牽引する実行責任者」と再定義。その上で、①産業DXを推進する当事者意識、②ソリューション型営業力、③海外ビジネス推進力の3点を中核要件として明確化した。
サーチにおいては、機械メーカー、商社、プラントエンジニアリング企業に加え、IT・デジタル領域の営業人材まで対象を拡張し、約80名へアプローチ。DX領域への関心や変革環境への適応力を重視し、個別に動機形成を行いながら選考を推進した。
自動車部品メーカーおよび電子部品メーカーにて海外営業を担っていた40代の人材の採用に成功。入社後は、各国ディストリビューターとの関係再構築を主導し、従来の製品販売中心の営業プロセスを、データ活用を前提としたソリューション提案型へと転換。主要市場における案件創出数の増加および提案単価の向上に寄与している。
また、現地パートナーに対する教育・仕組み化を推進することで、属人的であった営業活動の標準化を実現し、DX事業の海外展開を着実に前進させている。現在は複数地域を横断してプロジェクトをリードし、同社の事業変革を支える中核人材として活躍している。
基幹システムのリプレイスと新規WEB事業立上げに伴い、グループ横断でのITガバナンス強化およびDX推進が急務となりCIOポジションを新設することが決定した。社内に適任者がおらず、さらに「小売事業理解×デジタル知見×全社統括力」を兼ね備えた人材は市場でも希少であった。
そのため、一般的な採用手法での充足は難しく、転職潜在層へのアプローチを前提としたエグゼクティブサーチが求められた。
まずCEOおよび主要役員へのインタビューを複数回実施し、CIOに求める役割を単なるIT責任者ではなく、「経営戦略を理解し、ITの観点から事業成長に寄与するパートナー」と再定義した。その上で、以下3点をコアコンピテンシーとして明確化した。
・事業戦略とIT戦略を接続し、経営に対して提言できる視座
・小売・消費財領域におけるデジタルおよびITの実務知見
・分散したIT機能を統合し、全社最適でマネジメントできる統括力
加えて、ミッション、KPI、初年度に期待される成果(基幹システム刷新のロードマップ策定、データ活用基盤の整備、WEB事業との連携強化など)を具体的に言語化し、候補者に対して魅力とチャレンジ双方が伝わるポジション設計を行った。
リサーチにおいては、流通小売業のみならず、FMCG、メーカー、EC企業など隣接業界までターゲットを拡張し、IT責任者クラス約50名をロングリスト化。その中から、事業理解と変革実績の双方を持つ候補者に対して個別にアプローチを行い、動機形成を重視した面談プロセスを設計した。
選考過程では、単なるスキルマッチングに留まらず、「経営陣との相互理解」「変革に対するスタンス」「組織へのフィット感」を重視し、当社がファシリテーション役として複数回のディスカッション機会を設けることで、双方の期待値調整を丁寧に行った。
飲料メーカーおよびコンビニ業界にて全社ITをリードした実績を持つ人材の採用に成功し、同社CIOとしてグループ全体のITガバナンス強化およびDX推進を担う体制を実現した。着任後は、基幹システム刷新プロジェクトと新規WEB事業の両輪をリードし、経営戦略とIT戦略を一体的に推進する基盤構築に寄与している。
同社はサイバー攻撃を受けたことをきっかけに専門業者を招聘し、セキュリティ対策の抜本的見直しに取り組んでいた。
問題の要因分析を進める中で「ITガバナンス不全」が真因であると結論し、その対応の道筋をつける必要に迫られていた。
弊社による現状把握の結果、「ITガバナンス不全」の要因は大きく二つ
ⅰ.コーポレートIT推進チームの体制不足
同社では売り上げを作る営業現場の声が色濃く反映される風土があり、ITに関しても現場が欲しいものが導入される状況にあった。これに対して同社にはいわゆるCIOに相当するポジションが存在せず、技術面に詳しい管理職とわずかなスタッフで全社のIT全般を運営していたため、ITを経営視点で考えて全社最適に導くような対抗軸として機能しなかった。
ⅱ.IT費用の執行プロセス不備
個々の部門がIT費用を予算計上し執行するまでのプロセスでは、統制およびチェックに係る本社の役割が明確に定義されていなかったため、結果としてコーポレートIT推進チームが関知しないシステムやデバイスがいつの間にか社内で活用される状態であった。
このような現状に対して以下の二つの対応を順次とった
ⅰ.コーポレートIT推進体制の強化に向けた「CIO研修」の実施
同社IT組織の新体制において責任者を務める、過去にIT部署の経験がない経営層に対して、IT経営視点でのITの捉え方、CIOの役割、IT戦略の全体像などを弊社のプログラムに沿って研修形式でレクチャーしたのち、同社のIT戦略整備状況を鑑みて、優先的に取り組むべき課題を特定した。
ⅱ.IT予算管理スキームの策定
ガバナンスの効いたITを実現するためのIT予算管理への取り組みを想定し、取り組むべき事項を整理し優先順位付けを行うところまで伴走支援した。
「CIOの重要性に関する理解が進んだ」との言葉を頂き、具体的な成果としてはIT予算管理でのガバナンス強化策とIT体制上の要員補強ポイントを明確にすることができた。
製造業の人材不足が深刻化するなか、「採用を現場任せにせず、経営の戦略領域として強化する」──。
本プロジェクトは、東海地方に本社を構える中堅機械部品メーカーが、属人的な採用から脱却し、再現性ある仕組みへと転換した事例である。
東海エリアに本社を置く機械部品メーカー。
新規事業シフトの影響により、主力事業では次代を担うリーダーが不足している。
一方で設計部門では、CADオペレーター不足により現場技術者への負荷が増大。
採用は求人媒体やハローワーク中心の受動的手法に頼り、複数職種を計画的に充足する体制が整っていない。
さらに、面接手法が属人化していたため、評価基準や候補者対応の質にもばらつきが生じていた。
弊社による経営陣や部門長へのヒアリングの結果、採用力停滞の要因は「採用戦略設計の欠如」と「採用プロセスの非標準化」の二つに整理された。
1. 採用戦略設計の欠如
同社では採用計画が職種ごとに分断され、人事・現場・経営で優先順位の認識が異なっていた。
そこで経営層を含むワークショップを実施し、中長期採用計画を策定。
6〜12ヶ月単位で職種別の人員数・採用時期・優先度を明確化し、重点職種(製造リーダー・CADオペレーター)についてはスキル・経験・人物要件を具体化した要件定義書を作成した。
2. 採用プロセスの非標準化
待ちの採用体制から脱却するため、ダイレクトスカウト機能活用・リファラル採用・SNS活用を含むチャネル戦略を構築。
社内スカウトチームを新設し、候補者探索から面談・フォローまでの標準プロセスを整備した。また、職種別コンピテンシーを策定し、面接官が共通基準で評価できるシートと質問例を整備。
さらに、応募〜内定に至る各段階のKPIを可視化。応募数・通過率・承諾率を週次でレビューし、経営・人事・現場の三位一体で採用進捗を管理する体制を構築した。
経営・人事・現場の間で「採用すべき人材像」の共通認識が形成され、キーポジション確保のスピードと精度が大幅に向上。
経営層が採用プロセスを“経営課題”として捉える文化が根付き、採用活動は単発対応から計画的・再現性ある経営プロセスへと進化した。